弁護士費用特約の実務⑥~弁護士費用特約を保険会社が使わせてくれません
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《法律相談特約・弁護士費用特約をめぐる声》
「弁護士費用特約を使って弁護士に相談したいと言ったところ、自分の保険代理店や保険会社担当者から、
『弁護士を入れるのは、裁判になってから』
『保険会社が認めないと弁護士はつけられない』
『まだ、その段階ではないので、特約は使えない』
などと言われて、弁護士費用特約を使わせてもらえませんでした。」
という声を、時々、耳にします。
※ ここでは、法律相談特約と弁護士費用特約をまとめて、弁護士費用特約といいます。
まだ弁護士費用特約は使えないと言われて諦めてしまった方は、弁護士にこのような話をされないと思いますので、実際には、このようなことはかなり発生しているのではないかと思われます。
《実際は、どうなっているのでしょうか?》
このような苦情は、A火災とか、B共済といった、特定のいくつかの保険会社に多いように思います。
はっきり言って、コンプライアンス上、相当に問題のある行為だと思います。
そもそも、弁護士費用特約分の保険料を支払っている契約者が、契約に従って特約を使いたいというのは「当然の権利」ですし、一部の保険代理店や保険会社担当者が言うように、裁判にならないと使えないということはありません。
おそらく、「そう仰るのであれば、文書できちんと説明して下さい。」と言えば、とたんにしどろもどろになるのではないでしょうか。
また、保険会社が認めないと特約の利用ができないということも、少なくとも、実務的にはありません。
いなば法律事務所では、
保険代理店や保険会社を教えて頂ければ、当事務所から保険会社等に弁護士費用特約使用の旨の連絡をしております。
「特約が利用できることを前提に」ご依頼されたご依頼者様には、
「万が一、特約が利用できなかった場合には、弁護士への委任契約を白紙に戻します。」
と申し上げておりますが、
これまで、保険会社から、弁護士費用特約はあるけれども、まだその時期ではないので使わせません、とか、事前に承認を得ていないので使わせません、などと言われて、利用を拒否されたことはありません。
また、弁護士費用面についても、特約で全額が賄えない場合には、事前に申し上げております。