労災事故②~「労災の障害(補償)年金」と「厚生年金保険の障害厚生年金」の関係
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【ご質問】
「労働者災害補償法による障害(補償)年金」と「厚生年金保険の障害厚生年金」の両方を受給できるのでしょうか?
【ご回答】
両方の年金を受給することができます。
しかし、
障害厚生年金は全額を受け取ることができますが、
障害(補償)年金は、調整されるため、全額を受け取ることはできません。
【調整がなされる理由】
調整がないと、受け取る年金額の合計が、事故前に支給されていた賃金よりも高額になってしまうためです。
また、厚生年金保険の保険料は被保険者と事業主とが折半、労災保険の保険料は事業主が全額負担しているところ、調整がないと、事業主が二重負担していることになってしまうためです。
【参考:厚生年金保険の障害厚生年金の受給要件】
① 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
※怪我や病気の原因が業務上かどうかに関わりません。
②障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級~3級のいずれかに該当していること。
但し、障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害厚生年金を受け取ることができる場合があります。
※交通事故と労災事故の後遺障害等級表は、基本的に同じで(厳密には少し違う点があります。)、1級~14級までありますが、厚生年金保険の障害等級表は1級~3級までとなっているように、異なります。
③ 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含みます。)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
但し、初診日が令和8年4月1日前のときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に、保険料の未納がなければよいことになっています。
【参考文献】
厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei46.html
日本年金機構ホームページ
https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/shougai/shougai-kousei/20140421-02.html
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html
日本年金機構ホームページ(障害厚生年金の等級表)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/tokyuhyo.html