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弁護士費用特約の実務②~保険会社の弁護士紹介「LAC(ラック)」

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《弁護士の探し方(続)》
昨今、自動車保険を中心に弁護士費用特約の普及がめざましく、
例えば、物損で過失割合を争うといった事案でも、弁護士費用特約をご利用されて弁護士依頼をしよう、という方が増えておられます。
以前は、弁護士費用の問題がネックになって、望まない結果であっても我慢して受けて入れておられた方がほとんどだったと思いますので、その点では、非常によいことと思います。
 
ここで、弁護士の探し方ですが、
前提として、実務上、弁護士費用特約をご利用される場合に、特約保険会社が勧める弁護士に依頼しなければならない、ということはありません。
いなば法律事務所でも、だいたいの保険会社の弁護士費用特約は、ご利用して頂いた実績がございます。
 
もっとも、心当たりの弁護士がおらず、インターネットなどで弁護士を探すのも不安だと思われて、特約保険会社に弁護士紹介をしてもらえないか、尋ねる方もおられるでしょう。

特約保険会社の弁護士紹介のやり方ですが、そのうちの1つに、「LAC(ラック)」に弁護士紹介を頼む、というケースがあります。
 
 
《そもそも「LAC(ラック)」とは?》
日弁連リーガル・アクセス・センターの略です。
弁護士会により多少、異なると思いますが、熊本県の場合、LACを通じて弁護士紹介をご依頼されると、熊本県弁護士会所属の弁護士のうち、LACの名簿に登録されている弁護士に、順番に事件が回って来ます。
 
これも、弁護士会によって多少異なると思いますが、一定の研修を受けることが名簿登録の要件になっていたりします。
逆に言うと、弁護士間の公平性という観点かと思いますが、よほど問題がない限り、希望する弁護士は基本的に名簿に登録してもらえる構造になっていますし、名簿登録の要件もハードルが低いものになっています。
(ハードルが高いと、一部の会員ばかりを優遇することになりかねない。)


《LAC(ラック)配点を受けることのメリット・デメリット》
ご相談者様サイドのメリットとしては、
名簿に基づいて事件が配点され、仮に、打診のあった弁護士が断った場合には、次の弁護士に回っていくので、
基本的に、弁護士の受け手がいない、ということはないと思います。
 
ご相談者様サイドのデメリットとしては、
どの弁護士に当たるかは、当たってみないと分からないことと思います。
また、名簿に登録していない弁護士には、そもそも配点自体がないので、LACを通じた場合には、その弁護士に担当してもらう、ということ自体があり得ません。
刑事事件に例えると、すごく有名で実力のある刑事事件のA弁護士に依頼したいと思っていても、A弁護士が国選弁護をやっていなければ、国選弁護をお願いした場合には、そもそも配点されようがない、ということです。
 
なお、いなば法律事務所の場合、稲葉大和弁護士も田中琢磨弁護士も、名簿登録しておりますが、LAC名簿に登録していないと交通事故に詳しい弁護士ではない、ということはまったくありませんし、
下記の特別会費の問題もあって、本音を言うとLACを介さないで欲しいと思っている弁護士もいるように聞いています。
 
 
《LAC(ラック)をめぐる諸事情~「特約保険会社サイド」》
まず、重要なこととして、全ての保険会社がLACの対象となってはいません。
例えば、メジャーなところでは、東京海上日動火災保険株式会社は、2020年10月1日現在、LACの協定保険会社とはなっていません。
ちなみに、LACの協定保険会社等は、日本弁護士連合会の下記ホームページに記載されています。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/resolution/lac.html
 
LACの協定保険会社等でない保険会社の場合には、そもそもLACを通じて事件配点がされる、ということがありません。
 
また、
保険会社側で仕事をしている弁護士に聞いた話ですが、
LACの協定保険会社等であっても、傾向として、自社の顧問弁護士や指定弁護士を推す保険会社と、LACに回す保険会社があるようです。
確かに、LACの配点事件を見ていると、特定の保険会社の事件が多いように思います(たまたま配点されていないだけかもしれませんが。)。
 
他の弁護士の話では、
以前と異なり、最近では、例えば、物損で過失割合を争うような事件ばかりがLACで配点される、という話も聞いたことがあり、ひょっとしたら、保険会社によっては、事件内容によって、自社の顧問弁護士や指定弁護士を推したり、LACに回したり、と使い分けているのかもしれません。
仮に、そのようなことがある場合、保険契約者様にとっては、あまり愉快でないものと思います。
この点は、個人的には、弁護士会で調査したほうがいいのではないか、と思っています。


《LAC(ラック)をめぐる諸事情~「特別会費」》
熊本県の場合、以前はそうではありませんでしたが、現在では、LACを通じて配点された事件の場合、例外規定もありますが、基本的に弁護士報酬の10%を「特別会費」として納付することになります。
これは、弁護士会ごとに違うと思います。
 
弁護士によっては「上納金」と表現する人もいますが、
昨今では、個人的に取れる仕事が、国選の刑事事件とLACから回って来る交通事故事件がほとんど、という弁護士もいるようですので、
特に、弁護士登録から間もない弁護士にとっては、業務対策という意味でも、ありがたい存在なのかもしれません。

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