Solution to Traffic Accidents交通事故解決ガイド

交通事故後、こんなときどうなる⑧~シートベルト不着用

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【質問】
保険会社から、シートベルトをしていなかったから、賠償額を減額すると言われています。
減額されても仕方ないのでしょうか。
また、減額があるとしてもどの程度が相場なのでしょうか?
 
 
【回答】
シートベルトをしていなかったからといって、一律に、減額されるわけではありません。

実務的には、
シートベルト不着用が損害の発生や拡大に、どの程度の影響を与えたのか、
相手方車両との関係でシートベルト不着用が問題となっているのか、同乗していた車の運転者(同乗者にシートベルトを装着させる義務があります。)との関係で問題となっているのか、
などの事情を考慮して、減額の有無が判断されます。
 
減額される場合も、
おおむね5~10%が通常です。
20%以上の減額を認めた裁判例もありますが、軒並み、好意同乗減額に相当する事実も認定されています。
 
 
具体的には、
①シートベルト不着用と同乗者との損害との因果関係が認められない場合(因果関係否定型)、
②後部座席同乗者にシートベルトを装着させる義務は努力義務にすぎないとして、後部座席同乗者の損害に対する過失相殺を否定する場合(後部座席同乗者否定型)、
③同乗車両の運転者の過失相殺の主張に対し、運転者自身も同乗者にシートベルトを装着させる義務を怠ったとして過失相殺を否定する場合(対同乗運転者否定型)
があります。
※②の場合は、法改正がなされていることに注意が必要です。
 
①②③のいずれの場合についても、裁判例がありますが、
一例を挙げると、高松地方裁判所平成26年7月30日判決は、事故車両が大破しており、シートベルトをしていたとしても、同乗者が死亡したと考えられるような場合に、減額を否定しています。
 
 
【参考法文】
道路交通法第71条の3(普通自動車等の運転者の遵守事項)
第2項 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置・・・に乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、幼児(適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するものを除く。以下この条において同じ。)を当該乗車装置に乗車させるとき、疾病のため座席ベルトを装着させることが療養上適当でない者を当該乗車装置に乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
第3項 自動車の運転者は、幼児用補助装置・・・を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
 
 
【参考文献】
森冨義明・村主隆行編著「交通関係訴訟の実務」319~324頁(商事法務、2016年)
ほか
 

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