交通事故の裁判における攻防① 医学鑑定(私的鑑定)
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【医学鑑定書の証拠提出】
熊本県内を中心に、交通事故事件を多く扱っていると、どうしても、示談交渉での解決とならず、裁判になる交通事故事件が出て来ます。
いなば法律事務所では、熊本地方裁判所を中心に、交通事故の裁判を多数経験しておりますが、
特に、後遺障害をめぐる争いがある場合において、
・いなば法律事務所が担当させて頂いております側(被害者側)から医学鑑定書を証拠提出したこともありますし、
逆に、
・加害者側(実質的には保険会社側)から、被害者に不利な内容の医学鑑定書が証拠提出されたことも多々あります。
裁判になる場合も、
・裁判にしたほうが、よい結果が望めると期待されるため、裁判にするケース
(例えば、重度の後遺障害がある場合、特殊事情がある場合、交通事故発生から長期間が経過しており多額の遅延損害金が発生している場合など、いろいろな場合があります。)
・後遺障害があるとの主張であるのに、自賠責損害調査事務所(自賠責保険、任意保険の事前認定)では後遺障害等級が認定されないケース
・相手方保険会社の示談提示額が極めて低く、このまま交渉を続けても、妥当な示談金額が望めないと判断されるケース
など様々な場合があります。
このうち、例えば、被害者側から、裁判所に対して後遺障害等級の認定を求めた際に、医学鑑定書の存在が、決定的な証拠となった裁判も経験しております。
医学鑑定書の内容は、必ずしも希望する内容でないこともありますし、
裁判の結果にさほど結びつかない場合もあります。
しかし、やはり医学鑑定書を準備し得る、というのは、被害者様の選択肢を増やす上でもアドバンテージです。
【医学鑑定書入手のハードル①~鑑定医の手配】
ここで、医学鑑定書を書いてくれる医師を探すのが大変だった時代もありますが、
近年では、弁護士にもよるでしょうが、鑑定医の手配は、そこまでのハードルではないと思います。
【医学鑑定書入手のハードル②~金銭面】
しかし、医師に、私的に医学鑑定書を書いてもらう場合、鑑定医にもよりますが、30万円程度の費用がかかることが多いので(部位数などによっては更にかかります。)、結果がどうなるか分からない段階で、それだけのお金を費やすのは、なかなか抵抗があるところと思います。
この点、
弁護士費用特約の適用がある場合、医学鑑定書の費用も出ることが多いです。
訴訟において十分に戦うことができる、という意味でも、弁護士費用特約は、交通事故の被害者の方の味方になり得る特約と思います。
※ 参考までに、どの保険会社でも弁護士費用特約の内容は一緒とお考えの方もおられると思います。
しかし、弁護士費用特約により、弁護士費用の支払基準や実際の取扱いは違ってきます。