交通事故後、こんなときどうなる②~警察用診断書の見込み治療期間
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交通事故に遭った後、人身事故として扱ってもらうため、警察に診断書を提出することがあります。
この診断書には、しばしば、「全治2週間を要する見込み」などと記載されていたりします。
このように書かれていた場合、「治療期間は最大2週間までなのか」と疑問を持たれる方も多々、いらっしゃるかと思います。
実務的には、
警察用の診断書に「全治2週間」と書いてあったからといって、例えば、数か月間、通院治療する方も多くいます。
相手方の損害保険会社も、警察用の診断書に「全治2週間」と書いてあるからといって、そのことを理由に、2週間しか治療費の対応をしないということは、弁護士の経験上は、ほとんどありません。
したがって、警察用の診断書の記載は、あまり気にせず、必要かつ十分な治療を受けて頂ければと思います。
なお、「道路交通法施行令別表第二 三 違反行為に付する付加点数(交通事故の場合)」に定められているように、治療期間が15日以上になると加害者の違反点数が変わってきて、下手をすると一発で免停になりかねないので、医師もそのあたりは慎重に考えて「全治2週間」と記載することが多い、と聞いたこともあります。
(ここでは、そのような配慮がよいかどうかは措きます。)
熊本で交通事故事件を多く扱っていて、警察用の診断書を目にすることも多いのですが、むち打ち症はもとより、かなりの大怪我をされている交通事故まで、「実際の治療期間とは大幅なずれがあることがほとんど」というのが実感です。
(もっとも、保険会社側の弁護士の中には、そのあたりの実情は当然、知っているのではないかと思いますが、警察用の診断書の治療見込期間を捉えて、治療が過剰であったと、裁判所で主張してくる先生もおられます。)