カルテを読み解く⑭~アキレス腱反射(ATR)
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【アキレス腱反射(Achilles tendon reflex)】
略語:ATR
Achilles:アキレス(ギリシア神話に出て来る、かかとが唯一の弱点である勇士)
tendon:腱
reflex:反射作用
深部腱反射の一つです。
アキレス腱反射を検査する方法は、いくつかありますが、例えば、患者を診察台に下腿を下垂させて座らせ、軽く足関節を背屈して、アキレス腱を軽度伸展した状態にして行います。
この場合は、検査する者が、指で、患者のアキレス腱の両側陥凹部をつまみ、打腱用ハンマーの平らな面で腱を叩打し、すばやい反射性の足底屈がおこるかどうかをみます。
アキレス腱反射は、下腿三頭筋の深部腱反射で、主に神経根S1からの神経の状態をみていることになります。
(語呂合わせですが、「アキレス(S)の1番のウィークポイント→S1」と覚える。)
ちなみに、S1神経根を切断すると、アキレス腱反射は完全に消失します。
【参考文献】
東京大学名誉教授津山直一監訳「整形外科医のための神経学図説」94~95頁(南江堂、新装版、2014年)
日本大学医学部整形外科学系整形外科学分野 脊椎班 著「脊椎脊髄ハンドブック」30頁(三輪書店、第2版、2014年)
ほか