Solution to Traffic Accidents交通事故解決ガイド

運転していた者以外にも交通事故の賠償責任を問えるか~②運行供用者の責任

ガイド一覧へ

熊本県内を中心に、交通事故の法律相談を受けていると、交通事故を起こした運転者以外にも責任を追及できないか、検討が必要な場面が出てきます。
 
特に、対人賠償保険がついていない、いわゆる無保険車との交通事故の場合に、事故を起こした運転者以外への責任追及を検討することが多いと思われます。
熊本で弁護士業務を行っていると、無保険車が相手方の交通事故について、法律相談の申込みをいただくことが、よくあります。
 
このような場合、どのような責任を検討していけばよいでしょうか。
 
 
【②運行供用者の責任】
次に、運行供用者責任の検討が挙げられます。
 
運行供用者責任は、自動車損害賠償保障法3条による責任です。
 
 
裁判例の考え方では、
運行供用者とは、
「自動車の使用についての支配権を有し、かつ、その使用により享受する利益が自己に帰属する者を意味する」
とされ、基本的に、
「運行支配」と「運行利益」の枠組みによって運行供用者性を判断していきます。
 
 
「運行支配」については、
「自動車の運行について指示、制御をなしうべき地位」
とか
「自動車の運行を事実上支配、管理することができ、社会通念上、自動車の運行が社会に害悪をもたらさないよう監視、監督すべき立場」
といった判示がなされています。
 
「運行利益」については、
客観的、外形的に考えていくことを許し、必ずしも現実的、具体的な利益を受けることを必要としてはいません。
 
具体的には、例えば、最高裁判所昭和52年12月22日判決は、
・従業員が、自分の単車を運転し、会社の工事現場から自宅に帰る途中で起こした事故につき、会社に運行支配と運行利益を認め、運行供用者責任を認めました。
・この裁判例の事案では、この会社では、多くの従業員が、単車等の自家用車を通勤などのほか、営業所や、上司の指示があるときは自宅から、工事現場への往復に利用し、この際に同僚を乗せることも多く、会社から走行距離に応じた手当が支給されるなどの事情がありました。

ちなみに、上記最高裁判所判決は、まさに熊本での交通事故についての最高裁判所判決でした。
事故を起こした従業員は、熊本市内の工事現場から、会社の熊本営業所へ同僚を送り、そこから自宅に帰る途中で交通事故を起こしたものでした。
 
 
自動車損害賠償保障法
(自動車損害賠償責任)
第3条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。
 

前のページへ

交通事故被害は無料相談のご予約を!

相談料・着手料0円

弁護士による示談書無料診断も行っています!

  • 096-342-7707 平日9:00~19:00/土曜12:00~17:30096-342-7707 平日9:00~19:00/土曜12:00~17:30
  • メールでのお問い合わせ 24時間受付中!メールでのお問い合わせ 24時間受付中!

弁護士費用特約がある場合は
特約保険会社に相談料を請求させていただきます。

ページトップヘ