物損の事故解決にあたって①~車両を修理しない場合の消費税相当額の扱い
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【問題の所在】
熊本で交通事故事件を多く扱っていると、物損について、ご依頼者様から、事故車は修理しないで売却(廃車)するので、修理代はお金で欲しい、というご要望を受けることが時々あります。
この場合、保険会社によっては、
・修理する場合は修理代本体価格に消費税を加算した金額を支払うが、
・修理しないのであれば修理代本体価格しか支払わない、消費税相当額は支払わない、
と主張してくることがあります。
【裁判例はどうなのでしょうか?】
修理しない場合に、消費税相当額を損害としていない裁判例もあります。
しかし、交通事故の被害者側事件を多く扱っている弁護士としては、事故車両を修理する場合には消費税が発生するのに、修理しない場合には消費税を抜いた金額しか賠償されない、というのは不公平に感じます。
この点、例えば、東京地方裁判所平成18年3月27日判決は、
「仮に原告会社が原告車両を修理する場合には、消費税が発生するのであるから、消費税額を含めた○○円をもって、相当な修理代金とみるのが相当である。」と判示しています。
交通事故の被害者側としては、上記裁判例を示すなどして、消費税相当額の賠償も求めていくのが良いと思われます。