Solution to Traffic Accidents交通事故解決ガイド

交通事故の損害賠償にあたり重要なこと⑮「調整金」

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【調整金とは】
訴訟における和解の際に、賠償額を最後に調整して、ある程度、丸い数字にするための金額です。
例えば、裁判官が、交通事故の損害賠償額を「123万4567円」と算定したところ、
「調整金16万5433円」を付して、
「和解金額140万円」で和解勧告する、といった感じです。
 
熊本地方裁判所の実務では、「遅延損害金+弁護士費用」の半額程度を調整金とすることが多い印象ですが、
裁判官や事件によります。
 
~ご参考~
交通事故の損害賠償にあたり重要なこと⑭「弁護士費用を加害者に負担させられるか?」
https://www.5225bengoshi.com/guide/detail/masterid/105
交通事故の損害賠償にあたり重要なこと⑫「遅延損害金」
https://www.5225bengoshi.com/guide/detail/masterid/100
 
 
【もう少し詳しく①・・・裁判実務では和解勧告されることが多い】
交通事故の解決をめぐって訴訟となる場合、
現在の交通事故実務では、被害者側と加害者側(実質的には、保険会社側であることがほとんど)が、主張立証をある程度、尽くした時点で、裁判所から、和解勧告されることが多いです。
 
20年前は、死亡事故などの重大事故の場合、裁判所も、
「ご遺族のお気持ちを考えると、判決の形で、きちんと判断を示したほうがよいですよね。」
といった感じだったのですが、近年では、死亡事故などの重大事故であろうが、物損のみで過失割合を争っている事故であろうが、裁判所は、和解での解決を強く推して来ます。
裁判官によっては、当事者が「判決を希望します。」と述べても、
「とりあえず、数字を示させて頂いて。」「その上で、和解するかどうか判断して頂ければよいでしょう。」
と仰られることも多いです。
 
もちろん、
争点や証拠関係から、和解解決が適切な事件もありますが、
最大の理由は、(なかなか公には言いにくいでしょうが)裁判官の労力にあるのではないか、と思います(私見)
個人的には、裁判官や裁判所に対する日本社会の強い信頼を鑑みると、
特に、重大な交通事故の場合は、きちんと判決の形で、裁判所の判断を示して頂きたい、と考えています。

 
~ご参考~
新日本法規「裁判官からみた「良い弁護士」(法苑200号)」
https://www.sn-hoki.co.jp/articles/article2987644/

 
【もう少し詳しく②・・・加害者側が任意保険に加入している場合には、被害者側としては、和解のメリットは薄い】
ここでいう「和解」とは、
「相手方と仲直りする」といった一般社会における意味ではなく、
「賠償額で折り合う」といった意味となります。
 
和解のメリットとしては、
・判決の場合と比較して事件が早期に解決する。
(判決の場合、和解よりも、事件解決までに要する時間がかかりますし、控訴などをされることもあります。)。
・相手方からの回収がより見込める。
(勝訴判決を取得しても、相手方が任意に支払わない場合には、強制執行する手間がかかりますし、相手方がお金を持っていなかったり、相手方の勤務先や財産を特定できなかったりすると、勝訴判決を得たのに、お金が回収できない、ということもあります。)
などが考えられますが、
 
加害者側が任意保険に加入している場合には、
・解決までに時間がかかっても、その分の遅延損害金が回収できる。
・相手方から回収が見込めないということは、通常はない。
ので、その分、和解のメリットは薄くなります。

調整金は、
上記のような被害者側のデメリットを、いくぶんかでも補填するものといえると思います。
(これ以外にも、和解の双方当事者の利害調整に使うこともできます。)

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