Solution to Traffic Accidents交通事故解決ガイド

交通事故の裁判における攻防⑤ 障害が残っている身体や損壊した物そのもの、事故現場などを裁判官に実際に見てもらえるか?

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【ご回答】
見てもらうことは可能ですが、工夫が必要です。

まず、検証という方法があります(民事訴訟法232条)。
 (検証:裁判官がその五官(感)の作用によって対象である検証物の性状を検査して証拠資料を取得する証拠調べ。)
しかし、実務上は、検証という方法が採用されることはかなり少ないと思います。

ほとんどの場合は、裁判官から、「では、写真を撮って証拠として提出して下さい。」と言われます。
映像を撮影して、CDRに複製して証拠提出することなどもあります。
この場合は、よくも悪くも、裁判官に、直接、見てもらっているとは言えません。
 
また、数は少なくなりますが、
裁判官、原告・被告の代理人弁護士、原告・被告本人などが現場に行き、
実際に現場を裁判官に説明しながら見てもらう、
形式としては「現場で裁判の進行について打ち合わせをした」という扱いになることもあります。
 
 
【具体例としてどういう場合が考えられますか?】
稲葉弁護士が把握しているケースでいうと、
 
例えば、
交通事故そのものではないですが、被害者(裁判の原告)が落下した遊具の安全性を現地で確認することに検証という方法を用いた場合があります。
 
交通事故の被害者本人の状態を見てもらいたい、というケースで、
被害者本人が出廷して、裁判官が、実際に、見たり触ったりした様子を、代理人弁護士が動画撮影して証拠提出した、という場合があります。
 
交通事故の場合は少ないと思いますが、労災事故の場合、
検証ではなく、現地での進行協議という形式で、
被害者が事故に遭った機械を、現場まで見に行き、実際に機械が動く様子を見て事故再現をする、ということがあります。
被害者が入居施設で死傷した場合に、現地で進行協議を行うという形式で、入居していた施設やその周辺を見分した、という場合もあります。
 
現地での進行協議という形式の場合、証拠法上の問題があります。
撮影して提出した写真等は証拠となりますが、担当裁判官の見聞そのものが証拠化されている訳ではないからです。
判決では「弁論の全趣旨」という曖昧な言葉で処理されているように思います。
 
しかし、控訴審でも、高等裁判所の裁判官(簡裁事件の場合は地方裁判所の裁判官)としては、
写真などで証拠化されたものは確認できますが、
実際に現地で見聞している訳ではないので、現地の様子は直接には分からないのですが、
「一審裁判官が現地で確認した上での判断だから、基本的には一審裁判官の判断を尊重する」というスタンスと思います。

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