事例973
交通事故訴訟★熊本県上益城郡・後遺障害等級併合14級の女性・熊本地方裁判所で判決を取得し、既払い金を除き合計「約1065万円」を回収
被害者:女性、熊本県上益城郡在住
後遺障害等級:併合14級
(14級9号「局部に神経症状を残すもの」+14級5号「下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」)
《本件事故の解決方針~熊本地方裁判所への訴訟提起》
本件では、事故後の症状が家事へ及ぼす影響(休業損害・逸失利益)について、
保険会社との交渉では「実情に沿った妥当な解決が難しい」と判断されました。
また、
保険会社は、以前と異なり、最近では、示談交渉段階において「いわゆる裁判基準の慰謝料の満額を支払って来ない」ことが多々あります。
事案によっては、裁判になった場合に、裁判基準からの減額要素が判明する場合もあり、
(例えば、裁判の中で開示された診療録上、治療効果が途中からほとんど見られない場合などが考えられます。
むち打ち症の場合には、特に、しばしば見受けられます。)
裁判所の被害者側に対する姿勢の変化からも、いなば法律事務所では、解決にあたっての方針選択には、
「弁護士の経験と最新の情勢へのアップデート」が求められていると考えております。
しかし、
本件事故においては、訴訟になった場合も、「裁判基準の慰謝料額から減額される要素は乏しい」と判断されました。
そこで、適正な解決額を求めて、熊本地方裁判所へ訴訟提起を行いました。
《弁護士の活動~熊本裁判所における判決取得→賠償金の回収》
訴訟において、保険会社側は、一転して、被害者様にも過失があるとの主張を始めるなど、全体的に激しく争ってきました。
(過失の主張は、当方が強い姿勢で反論したため、途中で撤回されました。)
弁護士としては、
診療録に基づく詳細な主張立証を積み重ねたり、
被害者様の家事への支障を詳細に主張立証する
などの訴訟活動を丹念に行いました。
その結果、
熊本地方裁判所から判決がなされ、弁護士は、遅延損害金を含めて、合計「約1065万円」を保険会社から回収しました。
被害者様からは、最終面談時にお菓子を頂戴しました。
適正な解決に至ることができたものと、弁護士及び所員一同、大変嬉しく、励みに思いました。
《弁護士のコメント~交通事故における遅延損害金とは?》
民法及び判例上、事故発生から賠償金支払までの遅延損害金が発生します。
保険会社との示談や交通事故紛争処理センターでの斡旋では、「遅延損害金は考慮されない」ことがほとんどですが、
判決に至った場合は、民法上発生する金額ですので、回収することができます。
本件事故では、判決となりましたが、実務上、訴訟提起をした場合でも、訴訟中に和解解決となることが多々あります。
(ここでいう「和解」とは、一般用語でいうところの「仲直り」という意味合いではなく、裁判所が提示した賠償額で「解決」した場合とご理解頂くほうが適切と思います。)
もちろん、当事者双方が和解に応じなければ判決となりますが、
和解解決となった場合でも、交通事故の場合、遅延損害金を一部考慮した「調整金」という費目が加算されることが、実務上、一般的と思います。