被害者：７０代男性、熊本県合志市在住
 
 
《本件事故の特色》
被害者様は、歩行中に交通事故に遭われましたが、加害者が任意保険に加入していませんでした（いわゆる「無保険車」との事故）。
加害者は、自発的に治療費も含め、お金を払おうとせず、被害者様のご家族が、いなば法律事務所にご相談されました。
 
 
《弁護士の活動》
弁護士が加害者に連絡を取り、事務所にお出で頂きましたが、
具体的にお金を払うという話はありませんでした。
 
そこで、
自賠責保険に被害者請求を行い、自賠責保険金を回収するとともに、
熊本地方裁判所に訴訟提起を行い、当方への賠償を命じる判決を取得しました。
 
最終的には、
自賠責保険金＋加害者からの賠償金の合計２２５万円強を回収することができました。
本件交通事故では、弁護士費用特約の適用はありませんでしたが、弁護士依頼のメリットがあったものと考えられます。
 
 
《弁護士のコメント》
後日、判明したことですが、
加害者は、検察庁の取調に際して、誠意ある対応をした旨、被害者側から言われたと述べていました。
これは全く事実と異なりますので、弁護士から、検察庁に抗議を行いました。
 
被害者側の弁護活動を主として行っている弁護士として感じることですが、
警察や検察庁といった捜査機関、裁判所は、交通事故の場合、
「どうせ交通事故なんでしょ。保険会社が保険で対応して終わりだよね。」と軽く考えている節を感じます。
 
例えば、
盗難車で死亡事故を起こしたケースでは、警察も、かなり気合を入れて捜査していましたが、
そうでない事故の場合は、たとえ、死亡事故であっても、
加害者が、だいたい制限速度と同じかほとんど変わらない速度で走行していることになっているなど、他の証拠や地域の実情からして、相当怪しく感じることも多々あります。
 
また、捜査機関の取調調書も、
本件の場合に即して申しますと、加害者が言っていることが本当か、被害者に電話を一本入れて頂ければよかったと思いますが、安易に加害者本人が言っていることをそのまま記載していることもあります（そうでない場合ももちろんあります。）。
 
刑罰も、最近は、以前と比較すると多少厳しくなってきた印象ですが、
かつては、死亡事故なのに、さほど高額ではない罰金で終了していた事故もありました。
その事件の被害者のご遺族様は、とても無念だったと思います。
 
被害を受けた方やそのご家族にとっては、
・交通事故だから軽く済ませられるというものではないですし（特に、死亡事故や重いお怪我の事故の場合は、そうだと思います。）、
・交通事故の中には、加害者の運転態様が以前から悪質で、事故を起こすのは時間の問題に過ぎないと思われるような事故もあります。
 
実務における、かかる風潮を改めるべく、
被害者側の交通事故を多く扱っている弁護士として、日々、精一杯活動して参りたいと考えております。