事例949
交通事故訴訟・人身傷害保険★熊本市内・60代後半の男性・後遺障害等級併合6級・「合計約3110万円を回収」して事故解決
被害者:男性、60代後半、熊本市内在住
当方の過失割合:35%
後遺障害等級:併合6級
受傷内容:鎖骨関節脱臼、肩鎖関節脱臼、骨盤多発骨折など
《弁護士依頼の経緯》
ご家族様からご相談を伺った上で、
弁護士が、ご入院先の病院にお伺いして、被害者様から、正式に、ご依頼を頂いた交通事故です。
《弁護士の活動①~治療中における被害者様のサポート》
治療中から、弁護士にて、被害者様のサポートをさせて頂きました。
例えば、
入院が長期間に及んだところ、加害者側保険会社から個室代について疑義が呈されました。
そこで、弁護士が、状況を確認した上で、加害者側保険会社の担当者に同行を求め、弁護士と一緒に入院先の病院の様子を実際に見て頂き、きちんと対応してもらうように調整しました。
《弁護士の活動②~自賠責被害者請求による「後遺障害等級併合6級の認定取得」と「自賠責保険金の回収」》
治療終了時期を見計らい、後遺障害診断書を取得して、弁護士が代理人として、自賠責保険に被害者請求を行いました。
後遺障害診断書も、単に医師に作成して頂くのでは、受傷のタイプから、
「自賠責保険の後遺障害等級認定基準を踏まえた後遺障害診断書とはならない可能性が高い」と判断されました。
そこで、弁護士が、被害者様と一緒に、主治医のところに赴き、
主治医に認定基準を具体的にご説明した上で、認定基準に沿った後遺障害診断書の作成や後日の訴訟を考慮した書類の作成をして頂きました。
その上で、自賠責保険に被害者請求の形で、後遺障害等級認定申請を行いました。
被害者請求の結果、
後遺障害等級併合6級の認定を受けることができ、
「後遺障害分の自賠責保険金1296万円」を先行回収できました。
この1296万円は、全体の賠償額の一部先払となります。
《弁護士の活動③~熊本地方裁判所への訴訟提起→裁判所の和解案提示》
事案を検討した結果、裁判になって当方不利に働く要素はほとんど見当たらず、
「裁判をしたほうが、示談で解決するよりも高額の回収ができる可能性が高い」
と判断されました。
そこで、熊本地方裁判所に訴訟提起を行いました。
一昔前は、裁判をすれば、慰謝料などが裁判基準となり、遅延損害金なども付加されて被害者に有利な解決ができる、と、
さほど深く考えなくても済んだ時代もありましたが、
昨今では、一昔前と異なり、保険会社側が細かく争ってくることが多く、
簡単に考えて訴訟提起すると、かえって不利になることになりかねません。
交通事故事件を多数取り扱っている弁護士の実感として、交通事故分野は、日々、状況が変わっているのが実情です。
訴訟提起後、
加害者側の保険会社の弁護士は、予想通り、強引と思われる主張も含めて、細かく争ってきました。
感情的にならず、診療録を丹念に読み込んで、細かく事実を指摘するなどの主張立証活動を積み重ねた結果、
熊本地方裁判所から、
①将来に必要な治療費:約510万円
②ご家族様の入院付添費:約215万円
を含め、「総損害額として約3060万円」を認定する旨の和解案が示されました。
「①②は、丹念な主張立証をした結果」と考えております。
また、和解案が示された時点でも、加害者側保険会社は、和解金額を争ってきました。
この点については、弁護士が医師に依頼して、新たな証拠を取り付け、
「反対に、当初和解案よりも増額した和解案」
を再度、裁判所から頂くことができました。
当方の過失割合が35%と比較的大きく、かつ、自賠責保険からの先行回収分や既に加害者側保険会社が支払った金額を控除した、裁判における和解金額は「約750万円」となります。
以前は、交通事故分野において、双方当事者が裁判所が示した和解案を争うことはほとんどなかったと思いますが、
昨今では、和解案の金額から、更に交渉が始まることも多いです。
《弁護士の活動④~人身傷害保険会社との交渉と事件の全体的解決》
被害者側過失が35%もありましたが、人身傷害保険の適用があることから、
弁護士は、
「当方過失分について、裁判所の認定額をベースとした人身傷害保険金の支払を受けることで、実質的に、過失0%と同等の解決ができないか」と考えました。
人身傷害保険金は、
ご加入されている保険会社との契約により支払われるものですが、
保険会社側の判断で、計算式における数値を調整できてしまうため、弁護士交渉で金額が変わることもしばしばあります。
弁護士が人身傷害保険会社(加害者側保険会社とは別の会社です。)と交渉した結果、
裁判所の算定金額をベースとして、
①加害者過失75%に対応する分は、訴訟上の和解を行って、加害者側保険会社から回収し、
②当方過失35%に対応する分は、人身傷害保険会社から、人身傷害保険金として回収する、
ことで、満足のいく内容での事故解決ができました。
①の回収金額は「約750万円」
②の回収金額は「約1065万円」
となります。
①の回収金額のほうが少ないのは、自賠責保険から先行回収した金額と加害者側保険会社が既に支払った金額との差引計算がなされていることによります。
②については、人身傷害保険会社の計算額は、裁判所の計算額と費目において異なる点もありましたが、全体的には、弁護士の要求どおり、当方過失分35%に対応する金額に調整してあります。
被害者様からは、最後に、弁護活動に満足している旨のお言葉を頂戴することができました。
かなり大変な事案でしたが(もっと簡単に解決することも多々あります。)、良い結果を出すことが出来、弁護士としても嬉しく思いました。