事例667
交通事故訴訟★死亡事故・保険会社提示「約2750万円」→弁護士依頼後「約4440万円」を回収して解決(既払い金控除後)
被害者:高齢男性
職業:無職(年金生活)
交通事故発生地:熊本県内
交通事故の態様:歩行中における自動車との衝突事故
過失割合:保険会社主張「当方10%」(訴訟では20%を主張)→「当方0%」で解決
《弁護士依頼の経緯》
ご遺族様から、加害者側加入の保険会社から、
・既払い金を除き「約2750万円」での示談を提示されている、
・当方にも「10%」の過失があると言われている、
なによりも悔しいし、いろいろと納得できる話ではない、とのご相談をお受けしました。
《弁護士の活動~熊本地方裁判所への訴訟提起》
ご遺族様の思いを伺い、少しでも正しいと思われる解決を目指したいと考えました。
具体的には、賠償金額や過失割合について、お力になりたいと考えました。
ご遺族様とご相談の上で、裁判官に正当な判断をして頂くべく、熊本地方裁判所に訴訟提起を行いました。
訴訟においては、加害者側弁護士は様々な主張を展開してきましたが、
・刑事記録などの客観的証拠に基づき、加害者側主張がおかしいこと
・死亡された被害者様は年金生活であったところ、生活費に充てた後の年金の余りが通常の事案よりもあること、
・被害者様が家族の介助をしており、その点は収入と評価されるべきこと、
などを丹念に主張立証しました。
《裁判の結果→最終解決》
熊本地方裁判所から判決を頂きましたが、
・当方の過失は「0%」
・被害者様の年金は生活費に充てたあとも半分くらい残っていた
・被害者様が家族の介助に果たしていた役割は大きく、その点は収入と評価されるべき
などの判断を頂きました。
弁護士費用名目での金員や遅延損害金、訴訟費用も含めて、
相手方保険会社から「約4440万円」を回収して、最終解決することができました。
相手方保険会社による示談提示額「約2750万円」から、大幅に増額できました。
少しでもご遺族様のお力になれたものと、考えております。
《弁護士費用の実質的負担について》
熊本地方裁判所の判決では、「約340万円」の弁護士費用相当額の賠償が、慰謝料や被害者様が生きておられたら得るはずであった利益などの本体部分のほかに認められました。
上記弁護士費用相当額の賠償は、裁判所が、交通事故における損害賠償請求事件の判決の場合、多くのケースで認めてくれるもので、実際にかかった弁護士費用とは関係ありません。
しかし、結果的には、実際にかかった弁護士費用のほとんどが、裁判所が認めてくれた「約340万円」でまかなえたことになります。
そのため、弁護士費用の実質的な負担はほとんどなく、弁護士依頼ができたと言ってよいと思います。
なお、民法の規定により、交通事故の発生時から年5%の利率による遅延損害金が認められました。
この金額も数百万円あり、弁護士費用をはるかに上回る金額でした。
《弁護士のコメント》
ご遺族様の無念はどうしても残ると思いますが、亡くなられた被害者様の過失が0であることを裁判所で確定でき、弁護士としては、少しでも、ご遺族様のお気持ちに寄り添うことが出来たのかな、と考えております。
金銭的な面では、明らかに弁護士依頼のメリットがあったと考えております。
ご遺族様からは、事件終了時に、心のこもったお手紙とネクタイを頂戴しました。
交通事故事件に取り組むにあたり、ご遺族様や被害者様の思いに心をいたして、今後も、精一杯、仕事をしていこう、との思いを新たにしました。