事例637
交通事故訴訟★熊本市東区・20代男性・保険会社主張「後遺障害はない。約80万円で示談」→訴訟提起等の上「後遺障害等級12級相当。約1300万円の支払」で和解解決(既払い金控除後)
被害者:20代男性、熊本市東区在住
交通事故の状況:熊本市内において原付運転中に右折車に衝突された交通事故(原動機付自転車vs自動車)
当方の過失割合:15%
傷病名:脛骨高原骨折(関節内骨折)、外側半月板断裂等
弁護士費用特約:加入あり
《弁護士へのご相談》
相手方保険会社から、
・治療先の病院からの診断書上「後遺障害がない」旨の記載がある。
・よって、後遺障害はない。
・既払い金を除き「約80万円」で示談解決。
と主張されているが、納得できない。
とのご相談でした。
後日、伺いましたが、弁護士費用特約の保険会社から紹介された弁護士に、先に法律相談されたようですが、あまりはかばかしい回答は得られなかったとのことでした。
《弁護士の立てた戦略》
相手方保険会社(厳密には、株式会社などの「会社」ではないですが、分かりやすく、会社といいます。)は、弁護士相談を頂いた当時、後遺障害等級認定を自賠責損害調査事務所に出さずに自社認定する会社でした。
そのため、このまま後遺障害等級認定申請するのではなく、労災保険も適用できる交通事故であったことから、労災保険に後遺障害等級認定申請することをお勧めしました。
その上で、労災保険の等級認定を基礎に、訴訟提起の上で、裁判所に適切な賠償額の算定を求める方針をご提案しました。
《弁護士の活動①~後遺障害等級認定の取得》
労災保険に後遺障害等級認定申請しようとしたところ、
労働基準監督署からは、
「労災ではなく保険会社経由で後遺障害等級認定申請すること」
を強く誘導されました。
しかし、弁護士から、法律上、労災保険に後遺障害等級認定申請することには何ら問題はないはずであることを強く主張し、労災保険で後遺障害等級の審査をすることに持ち込みました。
労働基準監督署では、ご本人様の面接がありましたが、この際も、弁護士が同行し、ご本人様のサポートをさせて頂きました。
その結果、労災保険から、
後遺障害等級第12級の12「局部にがん固な神経症状を残すもの」の認定を得ることができました。
また、後遺障害等級が認定されたことにより、
労災保険から、
障害一時金・障害特別支給金・障害特別一時金として
「約115万円の支払を受ける」
ことができました。
《弁護士の活動②~熊本地方裁判所への訴訟提起と和解解決》
その上で、相手方保険会社との示談交渉を行いましたが、
結局、
当初の想定どおり、適切な賠償額の算定を求めて、熊本地方裁判所へ訴訟提起を行うことになりました。
訴訟では、
関節面における軟骨部の損傷がみられる点など、医学的な点に特に留意して、主張立証を行いました。
その結果、
裁判所から、
相手方保険会社の既払い金や労災保険から受領したお金を除き、相手方が、
「新たに、約1300万円を支払う」
内容での和解が勧告されました。
ご本人様と相手方の双方が裁判所の和解勧告を受け入れましたので、和解勧告に従った内容で、訴訟上の和解による最終解決となりました。