事例376
2017/08/09
被害者:60代男性、熊本市内で会社経営
傷害内容:頚椎捻挫・腰椎捻挫など
《事案の特色・争点》
熊本市内で会社を経営される方が交通事故に遭われた事案です。
経営する会社が支払った役員報酬は、本件事故により経営者の労務提供がなかったにも関わらず、会社が支払ったものとして、相手方に損害賠償請求を求め、裁判所に訴訟提起しました。
相手方は、経営者の受傷によって会社の売上等が減少したとは言えない、会社の損害は間接的な損害に止まる、経営者と会社との間に経済的一体性は認められない、などと主張し、激しく争ってきました。
《訴訟における主張立証~訴訟上の和解による解決》
訴訟では、経営者の受けた傷病が休業を要する程度のものであること、経営者が行っていた具体的な業務から稼働の困難性が認められること、会社の規模・経営状況などから役員報酬につき労務対価性が認められること、実際の売上減少が認められることなどを、具体的根拠を示して主張立証しました。
その結果、
経営する会社が経営者個人に支払った役員報酬など約230万円を相手方が支払う内容で、裁判所から和解勧告がなされ、裁判所の和解案どおりの内容で和解が成立しました。
《弁護士のコメント》
経営者の方については、役員報酬なので、休業損害がないと保険会社が主張することが多いと思われます。
本件では、会社の規模・経営状況や経営者の方の傷病の内容などを具体的に主張立証することにより、「会社の損害として」、経営者が交通事故により休業を余儀なくされた分の損害を回収できました。