事例1032
交通事故訴訟★加害者側保険会社の治療打ち切り事案→裁判で「治療打ち切り後の自費通院に対応する治療費等」や「後遺障害等級14級」の認定を得るなどして、弁護士にて「加害者側保険会社の既払い金を除き約250万円」を回収して解決
被害者:男性、熊本県菊池市在住
過失割合:10%
後遺障害等級:自賠責段階「非該当」→訴訟で「14級9号」が認定
《弁護士へのご依頼の経緯》
交通事故に遭った後、腰痛などが取れないのに、
加害者側保険会社が治療を打ち切ろうとしているのは納得できない、とのご相談でした。
弁護士にて、出来る限りのことをする、と申し上げて、ご依頼をお受けしました。
《弁護士はこう解決しました→①治療継続と自賠責保険への請求》
弁護士は、本件事故の経過を踏まえ、
「納得できないのに治療を終了する必要はない」とアドバイスを行いました。
被害者様と協議の上、
自費で通院治療を継続し、これ以上、治療しても改善効果が望めない時点で、医師に後遺障害診断書を作成して頂くこととなりました。
その上で、
自賠責保険に被害者請求を行って、自費通院分も含めた対応を求めました。
自賠責請求の結果、
お怪我の分は、自賠責保険から「約60万円」を、賠償金の一部先払として、先行回収できました。
《弁護士はこう解決しました→②熊本地方裁判所支部への訴訟提起と裁判上での和解解決》
しかし、
自賠責損害調査事務所が病院に医療照会を行ったところ、
病院からは、被害者様の症状が軽減しているとの回答がなされた、等の理由から、
残念ながら、自賠責請求の段階では、後遺障害等級は認定されませんでした。
※医療照会結果が「症状軽減」といった趣旨の回答の場合、神経症状においては、後遺障害等級が認定されないことが多々あります。
治療によって症状が軽減していない、ということは基本的にないと思いますので、疑問のある自賠責実務です。
これについて、
弁護士は、熊本地方裁判所支部に訴訟提起を行い、
・症状が軽減しているのであれば、症状固定日まで治療効果があったということである。
(保険会社が治療打ち切りをした時点ではなく、被害者様が治療を尽くした日までを、賠償対象として考えるべきである。)
・それでも残ってしまった症状があるのであるから、この症状は後遺障害と判断されるべきであり、後遺障害に見合った賠償がなされなければならない。
といった趣旨の主張を展開しました。
訴訟においては、
上記主張を裏付ける各種書証を提出したり、
弁護士にて裁判所を通じて病院や警察署への調査嘱託を行う、
診療録を検討して主張書面を提出する、
などの主張立証活動を行いました。
その結果、
熊本地方裁判所支部から、
素因減額(被害者様の元々の身体の事情も、多少なりとも影響しているということです。)はされたものの、
・自費通院後に、これ以上、治療しても改善効果が望めないと被害者側が主張する日を症状固定日とし、
・後遺障害等級14級9号「局部に神経症状を残すもの」がある旨、認定する、
などの内容で、和解勧告がなされました。
加害者側も和解に応じましたので、
裁判所の和解案どおり、
加害者側が「新たに約190万円」を支払う、との内容で、裁判上での和解解決となりました。
弁護士が、受任後に回収した金額は、
加害者側保険会社の既払い金を除き「合計約250万円」となります。
《弁護士はこう解決しました→③人身傷害保険への請求》
被害者側保険会社に人身傷害保険が付保されていたため、
弁護士から、被害者様側の保険会社に対して、
被害者様の過失割合10%に対応する損害について、人身傷害保険で支払対応するように求めました。
その結果、被害者様に、人身傷害保険から支払がなされる運びとなりました。
《弁護士のコメント》
被害者様は、ダメ元での訴訟と考えておられました。
結果的に、訴訟により、後遺障害等級が認定されるなどの結果を出すことができ、
弁護士として、ご依頼の成果を出せたものと嬉しく思いました。
被害者様からは、最終面談時に、ビールを頂き、ご依頼者様の満足度という点でも、弁護士として嬉しく思いました。