【事案の概要】
被害者：女性、熊本市中央区在住
職業：兼業主婦
事故態様：熊本市内における追突事故（自動車ｖｓ自動車）
傷病名：外傷性頚部症候群、腰椎捻挫ほか（むち打ち症）
 
 
【弁護士依頼の経緯】
保険会社から治療費を打ち切られ、示談を迫られている、とのご相談でした。
慰謝料を増額してもらいたいが、相場が分からないとお悩みでした。
 
 
【弁護士の活動①～治療費の打ち切りへの対応】
保険会社が治療費の支払を打ち切ると、「通院できない」とお考えの方が多いと思われますが、
通院できないということはありません。
本件では、「自費で治療を続行」して、後日、争う方針としました。
 
ちなみに、健康保険利用後の治療費の自己負担額は、通院１回あたり「８００円程度」でした。
費用的にも、保険会社の治療費の支払打ち切りは、過度に恐れる必要はない、と言えます。
なお、自費通院分の治療費自己負担額や、自費で通院した治療期間に対応する傷害慰謝料は、後日、実質的に回収できました。
 
 
【弁護士の活動②～後遺障害等級「併合１４級」の認定を取得しました】
自費で通院継続しても、ご本人様には、頚部の痛みや頭痛、腰の痛みなどが残存してしまいました。
そこで、弁護士は、ご本人様と協議し、自賠責保険に被害者請求の形で、後遺障害等級の認定を申請する方針としました。
 
自賠責保険へ被害者請求を行った結果、
頚部と腰部に残存する神経症状について、後遺障害等級「併合１４級」の認定を得ることできました。
（後遺障害等級１４級９号「局部に神経症状を残すもの」×２部位の認定となりました。）
 
この時点で、自賠責保険から、後遺障害分の自賠責保険金「７５万円」を先行して回収できました。
上記７５万円は、保険会社との通常の示談では、最終示談金額に含まれることが一般的ですが、
本件では、この時点で、弁護士が先行回収しております。
 
 
【弁護士の活動③～交通事故紛争処理センター福岡支部へのあっせん申立→示談解決】
本件では、熊本地方裁判所へ訴訟提起を行い、裁判官に適切な賠償額の算定を求めることも検討しました。
 
しかし、
詳細は省きますが、本件における諸事情を検討した結果、
訴訟ではなく、交通事故紛争処理センターへのあっせん申立が適切であろう、と判断されました。
 
そこで、
弁護士が、ご本人様の代理人として、交通事故紛争処理センター福岡支部に「あっせん」の手続を申立てました。
 
あっせんにおいては、
弁護士が、訴状に準ずる形で、申立資料を作りこみました。
追加の主張立証も行いました。

結果的には、
・自費通院分も含めた治療費満額
・自費通院分も含めた通院交通費満額
・勤務分＋家事従事分の休業損害：約７５万円（ご本人様は兼業主婦）
・傷害（通院）慰謝料：約１２０万円（自費通院した期間も含めた裁判基準満額）
・逸失利益：約９０万円
・後遺障害慰謝料：１１０万円（裁判基準満額）
など、合計約４９０万円の損害額を認定し、
保険会社が既に支払った金額と自賠責保険から弁護士が先行回収した７５万円を除いて、
保険会社が「約３０５万円」を新たに支払う、という内容のあっせん案が出ました。
 
多少の調整はありましたが、
保険会社の既払い金と先行回収した７５万円を除き「約３０５万円」で、双方が合意し、示談成立となりました。
弁護士が先行回収した「７５万円」とあわせた弁護士回収額は「約３８０万円」となります。
 
 
【弁護士費用のご本人様負担のない解決ができました】
本件交通事故は、弁護士費用特約をご利用されてのご依頼でした。
そして、あっせん申立も含めて、弁護士費用の全額が、特約でまかなうことができました。
その結果、ご本人様が弁護士費用をご負担されることなく、交通事故の民事解決ができました。
 
ご本人様からは、最終のご面談時に、人気菓子店のお菓子を頂きました。
ご満足を頂ける結果を出せたものと、弁護士及び所員一同、たいへん嬉しく励みに思いました。