事例278
2017/01/07
被害者:男性、20代
事故発生地:熊本県阿蘇市
事故態様:バイク事故
過失割合:10%
《事案の概要》
退院後、病院への通院治療中に、弁護士にご相談いただき、そのままご依頼された事案です。
《弁護士による解決 ①》
胸腹部臓器の後遺障害が見込まれましたので、弁護士にて、主治医に、後遺障害等級認定の基準をお伝えし、労災保険への後遺障害等級認定をサポートさせて頂きました。
また、自賠責保険へ、被害者請求の形で、後遺障害等級認定申請を行いました。
その結果、自賠責保険から、
・膵臓の障害について、内分泌機能の障害が残存しているものとして、後遺障害等級11級10号「胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの」
・脾臓の障害について、脾臓を失ったものとして、後遺障害等級13級11号「胸腹部臓器の機能に障害を残すもの」
あわせて、10級相当の後遺障害等級認定を獲得しました。
この時点で、自賠責保険から後遺障害分として461万円を先行回収しました。
上記461万円は、「通常は相手方の任意保険会社との示談金額に含まれる」金額です。
労災保険からも後遺障害等級10級の30が認定され、「別途400万円以上の支払」がなされています。
《弁護士による解決 ②》
後遺障害等級10級を前提に、相手方の任意保険会社と示談交渉をしましたが、相手方は、損害額約1040万円、過失相殺20%を主張し、新規支払額は約330万円で十分と主張してきました。
保険会社との交渉では、上記金額からの大幅な増額は見込めないと判断されましたので、交通事故紛争処理センターにあっせん申立てを行いました。
あっせん申立てでは、膵臓の内分泌機能につき、正常な一般人との比較において糖尿病になるリスクが高いこと、糖尿病になった場合にインスリン投与が必要になるなど労務への影響が考えられること、脾臓摘出により免疫機能低下や感染症罹患リスクの増大が考えられること、過失相殺はせいぜい10%と考えられることなどを主張しました。
その結果、
損害額を約2530万円と認定し、過失割合は10%とする旨のあっせん案が示されました。
相手方の任意保険会社の既払い分や自賠責保険からの先行回収分を除いた新規回収額は約1770万円です。
《弁護士のコメント》
示談交渉時点の相手方の任意保険会社の提示額は約330万円であり、これと比較しても1440万円の増額となります。
膵臓の後遺障害等級獲得については、ご本人様も難しいと思っておられた節もあり、後遺障害等級獲得においても、示談金額においても、お力になれたものと考えております。